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2005年09月22日

圧力容器構造規格改訂によるラプチャーディスクの破裂圧力の設定方法  質問No.13

圧力容器構造規格に係わるラプチャーディスク(破裂板)の破裂圧力と公差の設定方法に関して、法規の改定により注意が必要です。
■圧力容器構造規格は、平成15年4月30日厚生労働省告示第196号により改定されました。この改訂により、破裂板の破裂圧力と公差の設定方法が変りました。
■圧力容器構造規格の原文は、以下の通りです。
<第4章 付属品(安全弁その他の安全装置)第64条> 
第一種圧力容器には、異なる圧力を受ける部分ごとに、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができる安全弁その他の安全装置を備えなければならない。(以下省略)

上記の通り、破裂板の破裂圧力は、その破裂圧力の持つ許容公差の上限が当該容器の最高使用圧力を超えることはできません。従来、一般的であった設定方法である「最高使用圧力=容器の設計圧=破裂板の破裂圧力」は改訂された圧力容器構造規格には合致いたしません。最高使用圧力から全てのプラス側の公差(許容公差および製造範囲)を差し引いた圧力を破裂圧力(設定値)とする必要があります。

■破裂板の破裂圧力と許容公差の設定例
例-1:当該容器の最高使用圧力が0.5MPaGとすると、破裂板の破裂圧力は
  0.475 ± 5%(0.024MPaG (破裂圧力の上限値は0.499MPaGで0.5MPaGを超えない)となります。 ± 5%は破裂板のこの圧力レンジでの許容公差となります。
*求め方: 0.5MPaG(上限値) - その5%(0.025MPa) = 0.475MPaG(設定値)

例-2:当該容器の最高使用圧力が0.19MPaGとすると、破裂板の破裂圧力は
  0.176 ± 0.014MPaG  (破裂圧力の上限値は0.19MPaGで0.19MPaGを超えない)となります。 ± 0.014MPaは破裂板のこの圧力レンジでの許容公差となります。
*求め方: 0.19MPaG(上限値) - 0.014MPa = 0.176MPaG(設定値)

詳しくは、管轄官庁へお問合せ下さい。

投稿者 fike1 : 2005年09月22日 20:13