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2005年08月19日
エクスプロージョン・ベント(爆発放散口)の要求事項
ファイクのエクスプロージョン・ベント(爆発放散口)は以下の要求事項すべてに適合していますので、世界中で安心して使用できます。
◆写真は、フランスでのエクスプロージョン・ベントによる爆発放散の実証試験の模様
■産業安全研究所技術指針、NFPA68、 VDI 3673 等の最新規格に適合した破裂板式エクスプロージョン・ベントであること
[解説]
上記の各規格で採用されている爆発放散面積の算出計算式および算出法は、破裂板式エクスプロージョン・ベントを使用した爆発放散の実証試験によるデータの分析から作成されている。破裂板式以外のエクスプロージョン・ベントを使用する場合は、各規格規定の方法をそのまま使用することはできず、爆発放散の実証試験を個別に実施して爆発放散効率の減少率を求め、算出計算式、算出法に反映しなくてはならない。現実的にはユーザーがこの作業を実施することは困難なため、メーカーの製造する破裂板式エクスプロージョン・ベントを採用することが必要となる。
■あらかじめ設定された破裂圧力で確実に作動すること
[解説]
掛け金式ベント等は、機構部を持つため、錆び、よごれ等の要因により開口セット圧を恒久的に保持することが難しい。これらの問題を解決するためには、機構部のない破裂板式エクスプロージョン・ベントを使用することが必要となる。
■瞬時に確実な全開(フルオ-プン)が得られるように開口パターンをコントロールすること
[解説]
開口パターンがコントロールされていない金属板等の板は使用禁止である。これらのものは、瞬時に全開することができないため、爆発放散に必要な放散面積を得るタイミングが遅れ、爆発放散に失敗するためである。たとえば、アルミニウム板、プラスチック板、ガラス板などが、これに該当する。
■カウンターウェイトを使用しないこと
[解説]
カウンターウェイト式ベントは過去に多く使用されていた放散装置であるが、多くの事故を経て現在は使用が禁止されている。カウンターウェイトによる慣性質量はベントの作動速度を大幅に遅らせるため、爆発による圧力上昇に追従することはできない。
■慣性質量に影響されずに動作させるため、可動部の質量制限に適合していること
[解説]
イナーシャを発生させる慣性質量はベントの作動速度を大幅に遅らせるため、爆発による圧力上昇に追従することはできない。
■二次災害の原因となる金属破片などの危険な飛散物がないこと
[解説]
開口時に金属破片等の硬質で質量のある物質が飛散する場合、大きなエネルギーで飛散するため、強い破壊力を持ち大変危険となる。
■使用条件に合致した寿命の長い丈夫な設計であること
■製造ロット毎に破裂試験(開口セット圧チェック)を行うこと
[解説]
エクスプロージョン・ベントは製造ロット毎に開口セット圧のチェックを実施し、性能を確認することが重要である。
■メーカーにより破裂圧力、破裂公差が保証されていること
[解説]
エクスプロージョン・ベントは製造ロット毎に開口セット圧のチェックを実施することにより性能を確認し、ユーザーにその性能を保証するすることが重要である。
■破裂圧力がベントと成績書に明記されていること
[解説]
ユーザーは設置されているエクスプロージョン・ベントの開口セット圧を、常に把握できる状態であることが重要である。
■破裂試験温度と使用温度との差異による影響が考慮されていること
[解説]
エクスプロージョン・ベントは材料の強度特性により開口セット圧をコントロールしているため、温度による影響を受ける。この影響を反映した製作が必要である。
■爆発放散の実証試験を行っていること
[解説]
エクスプロージョン・ベントが実際に爆発放散が行える装置であるかを開発段階で実証することは重要である。
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投稿者 fike1 : 2005年08月19日 19:04